記憶障害について
- 北北高次脳普及支援
- 2020年5月24日
- 読了時間: 3分
皆さんこんにちは、休日をいかがお過ごしでしょうか。
今日は高次脳機能障害の一つ、「記憶障害」について解説します。
記憶障害はパンフレットの中で一番はじめに記載されており、高次脳機能障害の中でもよくみられるものです。
記憶障害とは
「新しい物事を覚えたり、発症前後の記憶を思い出したりすることが難しくなること」
です。
症状の例としては
・少し前の出来事や予定を忘れてしまう。(例えば薬を飲んだことなど)
・何度も同じことを言う、何度も同じ間違いをする。
・忘れたことに気付かない。
といったことがあります。
こうした症状に対する対応の例としては
・スケジュール帳や日記をつけて、以前の出来事やその日の予定を確認する。
・約束の時間を忘れないように、携帯電話、目覚まし時計などのアラーム機能を利用する。
・日常でよく使うものは同じ場所に置き、目印を付ける。
といったものが挙げられます。
最近では携帯電話の機能がとても進歩しているので、指定した時間になったらやるべきことをアナウンスしてくれるもの(「リマインダー」や「カレンダー」機能)を使用するのが良いかもしれませんね。

(iPhoneの「リマインダー」アイコン 筆者のiPhone画面より)
さて、記憶障害と言えば「認知症のこと?」と言われることが多いです。
ここで認知症と高次脳機能障害の違いについて以下にまとめました。
・高次脳機能障害:
【原因】脳卒中や頭のケガなどで脳が損傷されること(突然起こったこと)
【症状】記憶できない、判断できない、話せないなど
【一般的な経過】発症から時間が経つに連れて症状は変わらないか、ある程度回復することが多い
・認知症:
【原因】年を取ること、脳卒中、頭のケガ、ビタミン不足、ホルモンの異常などで脳の働きが変化すること(何ヶ月、何年と時間をかけて徐々に起こることが多い)
【症状】①記憶できない、判断できない、話せないなど ②暴言暴力、眠れない、失禁する、あるはずのないことを信じるなど
※ ①は中核症状といい、脳の変化そのものによって起こるものです。高次脳機能障害と症状は似ているものも多い。 ②については本人の「周辺」の環境によって起きたり起きづらくなると言われる(周辺症状と言う)
【一般的な経過】何ヶ月、何年と時間をかけて徐々に悪化することが多い。頻度としては少ないが、ビタミン不足やホルモンの異常、頭の中の血溜まりなどが原因である場合は、それらを治療することで回復することもある。
いかがでしょうか?
まとめると一番大きな違いは、
・高次脳機能障害:急に起こり、そこから徐々に回復することがある。
・認知症:徐々に起こり、多くは回復せず徐々に悪化する。
ということです。
最後に
記憶障害は高次脳機能障害の一つとしても認知症の一つとしてもみられる症状です。
この記事が、周りの記憶障害の方に接する際の一助になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。


Comments