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「失行症」と「失認症」の違い (パンフレットの誤りのお知らせ)

こんにちは。今日からしばらくあいにくの雨模様ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。 さて、当事業で作成した高次脳機能障害のパンフレットに、誤りがありましたためお知らせいたします。

誤りやすい「失行症」と「失認症」の違いについても解説します。


10ページの「失認症」についてですが、対応の例に以下が記載されています。

「道具の使い方、手順の絵を書いたメモを見ながら動作を行う」

「洋服は、表裏がわかるよう目印をつけたり、柄や胸ポケットのついた洋服を選んだりする」

「できないところを手伝い、できるように繰り返し練習する」


これらは、実はいずれも「失行症」の対応の例です。(14ページの失行症の対応の例にも同じ記載があります)

間違って記載してしまい大変申し訳ありません。


では、「失認症」にはどのように対応すれば良いのでしょうか。

失認症は、目や耳、手などの感覚に障害がないのに、知っているものを見る、聞く、触るなどしても、それが何であるのかがわからない、という症状です。

症状があることを知らない周りから見るととても不思議に思われる症状ですね。


対応の例としては

①「障害されていない他の感覚を使うようにする」

(例えば、触って確認したり、言葉で伝えたりする)

②「食事の際、見ても分からないときは、何のメニューがどの位置にあるかを伝える」

③「人の顔を見て迷っているときは、声をかけ、名前を伝える」

といったことが挙げられます。


①に書かれているように、見る、聞く、触るなどの感覚のうち全てが障害されていることは少なく、例えば「見て」わかることが難しくても耳で「聞けば」わかることがあります。(②③もこのことを意味しています)





それでは、次に「失行症」について説明します。

失行症は、頭では分かっているのに、簡単な動作やマネ、使い慣れた道具がうまく使えなくなることを指します。




日常でよく使う道具がうまく使えず、例えば歯ブラシで髪をとかしたり、服を表裏を間違って着てしまうといったことが起きます。


対応としては

「道具の使い方、手順の絵を書いたメモを見ながら動作を行う」

「洋服は、表裏がわかるよう目印をつけたり、柄や胸ポケットのついた洋服を選んだりする」

「できないところを手伝い、できるように繰り返し練習する」

が正解です。


簡単にまとめると、

失認症=見る、または聞くことはできてもそれが何だか分からない(「認」識できない)

失行症=身体は動かせるが、道具などをうまく使えない(実「行」できない)

となります。


症状は人それぞれ幅がありますので、単純にこれだけでは説明がつかないことも対応が十分ではないこともありますが、参考にしていただければ幸いです。

引き続き、皆さんと一緒に高次脳機能障害について考えていきたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。



 
 
 

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