「リハビリ手帳」について
- 北北高次脳普及支援
- 2020年6月11日
- 読了時間: 3分
皆さんこんばんは。 今日は、当事業で配布している「リハビリ手帳」についてご紹介します。

これは当事業の関連施設(東京病院など)でリハビリを受けた患者さんが退院するときに、それまでの病歴や今の身体の状態を一冊の手帳にまとめられるものです。
その内容をご紹介します。
医療者が書くページには、
・診断名(病名)
・障害名
・既往歴(過去にかかった病気やけが)
・経過
・今後の方針と注意事項
などの項目があります。
理学療法士などリハビリスタッフが書くページにはリハビリ情報として、以下のことを記載します。
・コミュニケーション(他人の話を理解できるか、自分から話ができるか、など)
・高次脳機能(記憶力、障害を認識できているか、など)
・基本動作能力(起き上がることができるか、歩くことができるか、など)
・日常生活実施状況(食べる、トイレ、着替えなどの動作がどの程度一人でできるか)
・リハビリで行っていたこと(プログラム)
・リハビリでの目標
また、麻痺がある患者さんなどでは装具を使っている人もおり、装具についての情報も記載できます。
・装具の名称
・装具の完成年月日
・装具を作成した業者
こうした情報があると、装具が破損した時などにもスムーズに対応できますね!
住宅環境も、リハビリの担当者が変わる場面では重要です。
・家屋の情報(戸建てまたは集合住宅、エレベーターの有無など)
・住宅改修(手すりの設置など、改修すべきところがあればそれについて記載します)
こうした情報も、共有できると医療者にとってとても便利ですし患者さんも何度も同じ話をしなくて済みますね。
また、患者さん自身にも、今後の希望や目標について自由に記載できるページがあります。
患者さんが主役であることを忘れず、リハビリや生活に取り組んでいただけるよう工夫して作られています。
そして、表紙をはじめ随所に出てくる「鳥獣りは」のイラストも見ものです。
さて、近年ではリハビリだけでなく医療全体において細分化が進み、医療の場を病院から地域(自宅や施設)にスムーズに移していくことが重要とされています。
そこで、「ケア移行」という言葉があります。
「ケア移行」とは、「医療サービスを受ける医療機関や療養の場が移行し,ケア提供者が変わること」と定義されています。(※)
要は病院から自宅や施設などに患者さんが移動(退院・転院)しても、患者さんの情報(希望なども含む)をスムーズに伝達することが求められているのです。
「リハビリ手帳」は、まさに「ケア移行」の先駆的な取り組みと言えるでしょう。
ぜひ、その他の地域でも参考にしていただければ幸いです。

※ 週刊医学界新聞 「スマートなケア移行で行こう!」より
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