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半側空間無視/半側身体失認について

皆さんこんにちは。

北多摩北部地域も随分暑いですね。

熱中症にならないよう、エアコンの調整や十分な水分摂取を心がけましょう。


さて、時間が空いてしまいましたが今回はまた高次脳機能障害について解説したいと思います。

今回のテーマは「半側空間無視/半側身体失認」です。

全く聞き慣れないものですよね。。

言葉を分解して見てみましょう!


「半側」というのは通常左右のどちらかを指します。

「空間」は自分の目の前に広がっている空間、「身体」は自分自身の体を指します。

「無視」「失認」は目では見えていても脳の中で認識できていないことを指します。


脳卒中では多くの場合右か左のどちらか片側の脳がダメージを受けます。

したがって、ダメージを受けたことによって左右どちらか(半側)の自分の目の前の空間がわからなくなってしまったり、自分の体の左右どちらかを忘れてしまうことがあるのです。

前者を「半側空間無視」、後者を「半側身体失認」と言います。


半側空間無視の例として、

・無視側に人が立って話しかけても気付かない

・食事の時、片側にある料理を見落として食べられない

・歩くときや車いすを漕ぐ時に見落としている側が周りの人やものにぶつかる

・車いすの片側のブレーキをかけ忘れる




といったものが挙げられます。気付かないために、交通事故にも遭いやすく危険な症状であることが想像できると思います。


対応としては

・声をかけるときは無視のない方から話しかける。

・生活上の様々な場面で無視側を意識するように促す。

・食事で食べ残しがないか確認するよう促す。

といったものが挙げられます。



一方、半側身体身体では以下のような症状がみられます。

・麻痺はない(あるいは軽い)のに、手足を使おうとしない。

・手を忘れてお尻の下に敷いていたりベッドの外に出ていても気付かない。




対応として、

・無視側の手足を意識するよう促す。

・寝返り前に手をお腹の上に置くよう声をかけるなど、習慣づける。

ということが挙げられます。


無視側の手や足を怪我しないよう、注意する必要があります。


いかがでしたでしょうか?

左右片側の麻痺がある方をみたとき、麻痺には気づいても半側空間無視などの高次脳機能障害には一見気付かないことが多いです。

患者さん当事者も周りの方も、声を掛け合って安全に過ごせることを目指しましょう。


最後までお読みいただきありがとうございました。



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